古生物復元模型大会ブログ。ロゴイラスト(ダンクレオステウス)は守亜和由紀さんによるものです。
by tf-paleo
TF古生物模型展示室とは
ここは、
「恐竜模型展示室」主催・ふらぎと
「AEG自然史博物館」主催藤森英二による
古生物立体復元模型の展示室です。
基本的に不定期に行われる統一テーマのもと、皆様からお送り頂いた復元模型を紹介しています。

尚、公共性の高い内容であるため、本ブログの主旨にそぐわない内容や、他人への中傷ととれるコメントは警告なしに削除いたしますので、ご理解下さい。

イラスト提供アクアプラント
カテゴリ
お知らせ・その他
絶滅魚類大会
絶滅哺乳類大会
ペルム紀大会
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


徳川広和「ダンクレオステウス」

e0133764_10424124.jpg

e0133764_10425861.jpg

e0133764_1043950.jpg


作品名 ダンクレオステウス 
学名 Dunkleosteus terrelli

作品サイズ 32cm
材質 ファンド(石粉粘土)

私のネタ選びには珍しく、今回はド直球で勝負してみました。
というか、直球ネタとマイナーネタの2体を造る予定だったのですが、
後者が間に合わなかったのです。

・頭部
 世界中で展示されているダンクレオステウスの頭部ですが、そのオリジナルはクリーブランド自然史博物館のもののようです。ですが、それぞれの展示物により微妙な顔付きの違いがあり、どれを元にするかで雰囲気が結構変わるように思います。その違いの生じた理由は分りませんが、今回はネット上で見つけた頭骨の側面写真(フィールド博物館の物)と各論文等に引用されている頭骨図のバランスを基本に、2008年にクリーブランド自然史博物館を訪れた際に画像を撮ったダンクレオステウス頭骨の形状の要素を盛り込んで製作しています。どちらかといえば直線的な顔つきでしょうか。一方で、以前ディニクチスとして論文等に引用される事が多かった頭骨図は丸顔で、そちらのイメージもなかなか魅力的ではあります。
 ダンクレオステウスに関しては、顎の可動に関する研究も発表されており、それによると口を開く際には、下顎が下がると同時に、上顎と胴体部の装甲との繋ぎ目にある関節部(?)も可動し、上顎も上にあがるようです。その点も留意し造形しました。その研究によれば、この模型よりももっと大きく顎が上下に開くようです。口の中に関しては、現生のサメをそのまま参考にしています。考察不足の感が否めませんが、どんな古生物でも口腔内の軟組織は毎回どうしていいやら途方に暮れる部分です。

・胴体
 ダンクレオステウスの胴体を考察する際には、胴体部が発見されている数少ない近縁種であるコッコステウスを参考にしない訳にはいきません。当初はコッコステウスのプロポーションをベースに製作、一度は塗装前まで完成させていました。当然尻尾は横に長いタイプとなります。大型の軟骨魚類という事で中~大型のサメのような縦に細長い三日月型の尾ビレも考えましたが、現生のホホジロザメのような機敏な動きが出来たようには思えず、また近縁種で良い標本が残っている以上、それを参考にするのが無難と考えたのです。が、その後、とある研究者さんとお話していた折に、ジンベイザメやウバザメのような、それほど機敏には泳がないサメでも大型の種類であれば三日月型の尾ビレを持っている事を指摘され、ダンクレオステウスのような巨体の持ち主であれば三日月型の尾ビレでも良いのでは、と考え変更しました。ただし、骨が入っていない尾ビレ下側は大型のサメに比べ大きさ控え目にしています。これは特に理由はなく、何となく、です。また、ヒレがサメに近い構造である事を示唆する標本・研究もあり、全体的にも大型のサメに似た形状で完成させています。となると、胸ビレももっと長さのある形でも良かったかな、とちょっと後悔していたり。また、コッコステウス型の胴体の異質な雰囲気もやはり捨て難いところです。
 胴体の装甲部と背ビレの間にあるウロコ(?)は完全に想像です。ダンクレオステウスとはちょっと系統が離れますが、板皮類の中には全身がしっかりとしたウロコで覆われた状態で発見されている種類もあり、それならサメ型の復元を採用しつつも、少しはウロコの部分も残っていたりしないかな~という事で。造形的にも、ちょっとアクセントが欲しかったですし。ちなみにオスとして造形しています。

・色
 全くの想像です。結局サメ型の胴体としての造形になったので、胴体はベタにサメっぽい色です。背ビレ、尾ビレの先には少しアクセントを入れています。と、全体としては胴体は無難な色になったので、頭部と胴体の装甲部分は派手目に。

 胴体が難しいのは予想通りでしたが、頭部についても魚の基本的な知識の無いこともあって、意外に苦戦しました。正直に言えば、顎関節周りの構造や筋肉がどうなっているか、ほとんど理解していません、、、。また、これまであまり魚類の造形の経験が多くないという事で、「魚らしさ」の表現のツボが掴み切れていないもどかしさも。あとは、まぁ何といっても、前回の絶滅哺乳類大会の「毛が無いネタばかり選んでスイマセン」に続き、今回も「ウロコの無いネタ選んでゴメンナサイ」です。




主な参考資料

「The Rise Of Fishes」(Johon A.Long)
「Swimming in Stone」(Johon A.Long)
「Early Vertebrates」(Philippe Janvier)
「Placodermi (Handbook of paleoichthyology)」(R.Denison)
「古生代の魚類」(J.A.モイ-トマス、R.S.マイルズ)
「恐竜解剖」(クリストファー・マクガワン)
「サメ・ウォッチング」(ビクター・スプリンガー、ジョイ・ゴールド)
「世界サメ図鑑」(スティーブ・パーカー)

・The vertebrate fauna of the Cleveland memer(famennnian) of the Ohio shale( Robert K.Carr and Gary L.Jacson)
・The ancestral morphotype for the gnathostome pectoral fin revisited and the placoderm condition(Robert K. Carr, Herve Lelievre and Gary L. Jackson)
・PLACODERM BRANCHIAL AND HYPOBRANCHIAL MUSCLES AND ORIGINS IN JAWED VERTEBRATES(ZERINA JOHANSON)
・DID PLACODERM FISH HAVE TEETH?(GAVIN C. YOUNG)
・http://www.foxnews.com/story/0,2933,232600,00.html
[PR]
# by tf-paleo | 2010-11-30 11:17 | 絶滅魚類大会

~久正人先生より記念イラスト~

e0133764_1595323.jpg


 久正人さんといえば、前々回「ペルム紀大会」、前回「哺乳類大会」には造形作品で参加、その造形力の確かさと、漫画家ならではの構図の見事さを見せつけ、2大会連続で「ベスト・オブ・右手賞」を受賞。ところが、今回は「魚類」という事で「右手賞狙えないじゃん」という理由で参加を見送られたのかどうかは分りませんが、代わりに大会記念イラストを送って下さいました。

 というか、私には「単に今、自分が描きたい題材を魚類大会にかこつけて描いてみた」としか思えないのですが、まぁいいや。
 一番左は「ぼすり(おれぴす)」、右は「だんくる(おすてうす)」。で、真ん中の娘は、今回参加作品に無かった化石サメのステタカントゥスですね。この娘だけ名前無しですが、校則違反ではないのかと、少々心配です。(徳川)
[PR]
# by tf-paleo | 2010-11-30 11:16 | 絶滅魚類大会

「絶滅魚類大会」まとめ

いや~~~~、大変だったんですよ~~~。
何がって、参加作品へのコメントが。

と、前回(「哺乳類大会」)の時と全く同じ出だしですが。

前回も大変でしたが、今回はそれに輪を掛けて大変でした。
絶滅哺乳類に関しては「絶滅哺乳類図鑑」という、その分野全般を
扱い、また日本語で読める本があるため、そこを基点にいろいろ資料も
調べられたんですが、今回は個人的に哺乳類以上に不慣れな魚類、
しかも主要な参考書籍は洋書、という事で、皆さんの作品にちょっとコメント
したくても、その題材の情報集めるだけで結構な時間と労力が。
でも、そのお陰で随分勉強になりました。

というか、絶滅魚類なんてお題じゃ、さすがに今回はそれほど
参加作品も多くないだろう、とちょっと高を括っていたトコロも。
そしたら、意外(?)にも多くの作品が、そしてそれぞれが拘りの
造形のため、コメントも手抜き出来なくなってしまいました。

ちょっと残念だったのは、投稿作品の中にサメがない事でしょうか。
私自身も含めて、皆さん「誰か造るだろう」と牽制しすぎたネタだったのかも。
それはそれで、この大会のノリを良く理解して頂いている、という事かも
しれませんが(笑)。まぁ、そういうネタ選びの駆け引き(?)込みでの
この大会、ですね。

次回は、まだ何も考えてませんが、今回よりももうちょっとコメントが
楽な題材にしたいな~、とか思いつつ、多分また後先見ずの
ネタ選びになるんだろうなぁ、、、、。(徳川)
[PR]
# by tf-paleo | 2010-11-30 11:13 | 絶滅魚類大会

第3回・古生物立体復元模型大会 開催のお知らせ

突然ですが
絶滅魚類大会
<デボン紀限定>
開催のお知らせです。

*サブタイトルを<デボン紀の海>から<デボン紀限定>に変更。
 海水性、淡水性、両方可です。



今回は、CG処理による「水中生態写真化」も予定しています。

趣 旨
様々な地質時代の生物を立体化し、お互いの技術や見識を高めつつ、「こんな生物もいたんだね」ということで盛り上がる。今回は「お魚」、しかも魚類の時代とも呼ばれる「デボン紀」をクローズアップです。

応募条件
プロ・アマ問わず、古生物復元に興味があり、これを形にしてみたい方(出来る方)。

作品規定
デボン紀に生息した魚類を題材にした立体復元模型、若しくは3DCG作品。また、少なくとも属レベルで特定出来ていることが必要最低条件となりますのでご注意下さい。 尚、魚の生息地は海でなくともかまいません。
・立体模型部門:大きさ材質は問わず。上の条件に合う生物の立体模型。
・3DCG部門:パソコン等により、三次元的に復元した上の条件に合う生物のCG作品。

応募方法
・立体模型部門:完成作品の写真(なるべく鮮明でいくつかの方向から撮ったもの)に作品の名称、生物の学名、大きさ、材質、アピールポイント、製作の際に参考にされた資料・サイトなどを添えて、メールにてお送り下さい。
・3DCG部門:3Dのデータではなく、JPEG画像としたものを募集します。生物の学名、アピールポイント、製作の際に参考にされた資料・サイトなどを添えて、メールにてお送り下さい。


・応募のメールは全て徳川宛てで。但しファイルは適度な大きさを心がけて下さい。 もちろんお名前(必要な場合はバンドルネーム)もお忘れなく。
・ブログ掲載の画像の選定はこちらの判断にお任せ願います。
・「水中生態写真化」を希望する方は「お気に入りのワンカット」を添えて下さい。

※上記の規定に従っていないものは、応募頂いても参加をお断りすることがありますのでご注意下さい。

締切り 2010年11月末日

企画・運営
徳川広和:「恐竜模型展示室」主催
藤森英二:「A.E.G自然史博物館」主催

参加作品は当ブログ上で発表。今回は各作品をCG処理した「水中生態写真」も掲載予定です。どしどしご応募下さい。
[PR]
# by tf-paleo | 2010-05-12 19:50 | 絶滅魚類大会

絶滅魚類大会 参考資料

「絶滅魚類大会-デボン紀限定-」に向けての、参考資料案内です。
が、今回は前回とはちょっと違って、
資料集めもちょっとハードルが高いかも。

●「古生代の魚類」恒星社厚生閣
  古生代の魚類に関して日本語で読める一般書としては、
  これが一番かと思います。標本そのものの図版や画像は少ないですが、
  簡単な復元画はかなり充実しています。
  ちなみに原書は「Paleozoic Fishes」J.A.Moy-Thomas and R.S.Miles.

●「THE RISE OF FISHES」 John A. Long
フルカラーで、化石・復元画共に多数収録。ビジュアル面では、この本が
  今回紹介する中では一番です。

●「DISCOVERRING FOSSIL FISHES」
  こちらもフルカラーですが、復元画メインなので、標本図版は少なめ。
  文章量も多いので、英語が読めれば情報源として役に立つかも。

●「Early Vertebrates」Philippe Janvier
化石魚類に関するオススメの専門書という事で、複数の研究者に方から
  名前が挙げられた本。専門書としては図版も豊富で、化石魚類に
  興味のある方なら必携と言っても良いかも知れません。

と、まずは以上の4冊をオススメしたいのですが、
どれも入手の難しさ(3冊は絶版)と価格面で、そう気軽に
購入できるものでもありませんし、上記の本を手に入れれば、
それだけで十分かと言えば、勿論そうではありません。
今回はネット上での情報収集力と、現生を含む
魚類の知識がポイントかと思います。
近くの博物館の展示物にも良いものがあるかも知れませんね。



、、、といって、それではあまりなので、
現時点で比較的入手しやすい本も幾つか挙げておきます・

●「小学館の図鑑NEO 大むかしの生物」(小学館)
●「恐竜大図鑑」(ネコパブリッシング)
●「古脊椎動物図鑑」(朝倉書店)
 恐竜以外の古生物を調べる時には定番の本。
 「古脊椎動物図鑑」は、すでに出版から30年以上経っているため、
 復元画は古くなっていますが、それでも古生物を調べる時の
 出発点としての価値は十分にあります。

●「魚類の時代 デボン紀」(双書 地球の歴史3 共立出版)
 タイトルその通り、魚類を中心にデボン紀について纏めた本。
 デボン紀という時代を知るには良い本ですし、魚類全般の
 解説もなかなか専門的ですが、個々の魚類の解説は少ないです。



現生魚類に関しては、私もそれほど数多くの書籍を
持っていませんし、知識もありませんので、
「これはオススメ!」というのを自信を持って紹介出来ません。
詳しい方がおられましたら、是非情報をお寄せ下さい。
(徳川)
[PR]
# by tf-paleo | 2010-05-11 17:25 | 絶滅魚類大会