古生物復元模型大会ブログ。ロゴイラスト(ダンクレオステウス)は守亜和由紀さんによるものです。
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TF古生物模型展示室とは
ここは、
「恐竜模型展示室」主催・ふらぎと
「AEG自然史博物館」主催藤森英二による
古生物立体復元模型の展示室です。
基本的に不定期に行われる統一テーマのもと、皆様からお送り頂いた復元模型を紹介しています。

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藤森英二「ディプノリンクス」

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ディプノリンクス
属名:Dipnorhynchus sp.
スケール:1/10
大きさ:約9cm
材料:ファンド
塗装:アクリル絵の具(筆塗り)

 「四足動物の祖先は肺魚である」という考えもありますが、その中でも頭骨の形態から両生類に近いのではないかとも言われる属です。
 しかし、いざ作るとなると、一般的な図書にも多く掲載されているにもかかわらず、不明な箇所だらけでした。
 頭骨や下顎についての写真や文献は入手できましたが、その他の部位については、化石の断片すら目にすることが出来ません。未発見かどうかの確認も出来ませんでしたが、頭骨の大きさと、他の化石種の肺魚から、全長やプロポーションを割り出しています。
 全体的に、多くの部分で現在の肺魚、特に最も原始的とされるオーストラリアのネオケラトドゥスを意識しています。それでもいくつかの点で古さをアピール。まず頭骨にある特徴的な溝は、外見上にも影響を及ぼしていると判断。また、現生の肺魚では消失している第一、第二背鰭ですが、古い種ほど明確とのこと。そこで尾鰭方向に移行しつつも、その存在をはっきりさせています。さらに鱗についても、新しい肺魚ほど重なりの大きい丸いもののようですが、進化の順番に当てはめると、どうもまだその段階にない、あまり重ならない菱形の鱗だと思われます。ここは少しオーバーなくらいに彫り込みました。
 模型としてのディスプレイについては、ご覧のとおり、すごく間延びした感じですね。実は当初、同じ魚を2尾作って配置するつもりだったので、こんなことに。
 また、広義の肉鰭類ではありますが、平気で陸上を歩いたとは思っていませんので、陸地が点在する浅瀬を、ゆっくりと徘徊している場面を想定しています。その「水」を透明樹脂などで再現出来れば良かったのですが、今回は断念。後方の透明塩ビ板で視覚効果を狙ってみましたが、どうも完成度低いですね。
 地面、水底、木製シダの幹はファンド。その上に鉄道模型などで使うストラクチャー用のスポンジと、紙紐でつくったシダ、真鍮線に瞬間接着剤で節を付けたトクサを植えてみました。

参考文献
・薮本美孝1993「化石が語る絶滅した魚たち」『週間朝日百科 動物たちの地球』85
・後藤仁敏1993「魚の身を包む装置-粘液と鱗」『週間朝日百科 動物たちの地球』86
・上野耀弥1993「両生類の祖先か?−ハイギョ類」『週間朝日百科 動物たちの地球』86
・金子隆一1996『謎と不思議の生物史』同文書院
・大塚則久2006『「退化」の進化学』講談社ブルーバックス
・ K.S.W. CAMPBELL AND R.E. BARWICK 1999「A New Species of the Devonian Lungfish
  Dipnorhynchus from Wee Jasper, New South Wales」 『Records of the Australian Museum』
  Vol. 51: 123–140.
・H.-P. Schultze , J. Chorn 1997「The Permo-Carboniferous genus Sagenodus and the
 beginning of modern lungfish」 『Contributions to Zoology』67 (1): 9-70
・ROBERT H. DENISON 1968「EARLY DEVONIAN LUNGFISHES FROM WYOMING, UTAH, AND
  IDAHO」『FEILDIANA: GEOLOGY』VOLUME 17, NUMBER 4
・B. SHERBOX HILLS 1941「THE CRANIAL ROOF OF DIPNORHYNCHUS SUSSMILCHI」
 『Records of the Australian Museum』21(1): 45–55
・「Fejlődéstörténeti halrendszertan」
http://fishindex.atw.hu/
・「Devonian Life. Vertebrata」 
http://chestofbooks.com/science/geology/Intro/Devonian-Life-Vertebrata.html
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by tf-paleo | 2011-01-03 21:45 | 絶滅魚類大会
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